保有効果

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買った瞬間にすごく良い銘柄に思えてしまう現象(保有効果)
保有効果…自分が所有するものに高い価値を感じ、手放したくないと感じる現象。

 

自分が長年使っていたもの・なかなか手に入らないもの・高額な値段で購入したものなど大切にしていたものを手放すことを嫌だと感じ、そのまま保有し続ける心理が働きます。

 

新しいものを手に入れたときのメリットよりも、すでに保有しているものを失うことや環境が変化することのデメリットを強く感じます。

 

保有効果は、経済学者のリチャード・セイラ―氏が提唱し、彼とダニエル・カーネマン氏の実験によって証明されました。

 

実験の内容は以下の通りです。

 

まず、教室に学生を集めてAグループとBグループに分けます。

 

Aグループには大学のロゴ入りのマグカップを渡して「そのマグカップをBグループに買ってもらうとすると、いくらで売りますか?」と聞きます。

 

Bグループにはマグカップを渡さずに「Aグループから大学のロゴ入りマグカップを買うとすると、いくらで買いますか?」と聞きます。

 

通常のマグカップは6ドルで販売しているものですが、結果は平均すると次のようになりました。

 

Aグループ → 「7.12ドルで売る」と答えた
Bグループ → 「2.87ドルで買う」と答えた

 

Bグループが2.87ドルと安く答えたのは、まだマグカップを保有しておらず、それほど価値を感じていないためです。

 

それに比べて、Aグループはマグカップを保有した時からその価値を感じているため7.12ドルと高く答えました。

 

保有した時間はそれほど経っていないにもかかわらず、保有していない状態と比べると感じる価値には2倍以上の差が出ました。

 

この実験結果によって、保有効果は手に入れたものに高い価値を感じて、手放しにくくなる心理効果であることが分かります。

 

 

 

保有効果はマーケティングでも使われています。

 

例えば、通販番組などによくみられる返品OK・返金保証が挙げられます。

 

返品OK・返金保証として販売している品物が実際に返品されることは少ないといわれています。

 

それは、その品物を手にすることで保有効果が発生し、手放したくないと感じることが要因だといえます。

 

 

 

また、洋服の試着にも同じことがいえます。

 

試着OKとするお店が多いのは、実際に服を着てみて購入を検討したいという消費者のニーズに応えるためです。

 

しかし、一度着た服に愛着がわいて保有効果が高くなり、手放したくないという感情になるため購入への意欲が高まることにもつながっています。

 

 

 

このように保有効果はマーケティングで活用できる反面、自分が消費者になった際には損やムダな買い物をしてしまう恐れもあります。

 

保有しているものの価値を高く感じ手放すことに抵抗を感じている場合、それに自分自身が気付けば冷静な判断ができると思います。

 

したがって、保有効果を理解し、今の自分はその状況下にいるのかどうかを見極めることが大切です。

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